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ソラコムvEPCの衝撃:破壊的テクノロジーで今ある技術が「あの人は今」状態に

2004年くらいからITという産業に関わり始めて、その頃は主流はフレッツISDNくらいだった。そこからADSLになり、FTTHになって、FTTHが主流になったのは2007年くらいかな。体感として。わずか5年程度で主流が変わった。

ISDNの頃のATMの装置は切り替えられ、電話線がメタルに、ファイバーになった。

ファイバーになって収容装置は変わって、伝送距離、光の減衰を意識するようになり、考え方は大きく変わった。FTTH以上の固定回線技術はなかなか普及しないかも。

FTTHを効率的に使う技術は流行しても、それ自体は変わらなそう。GE-PONがG-PONに変わるくらいかな。

 

これと同じことがモバイルのパケットコアで起きていることに驚愕した。

EPCは従来、エリクソンNECノキアといった100年企業が作り上げてきたモバイルネットワークの完成系の一つで、これからはハードウェアをACTAベースからIntelベースに切り替え、仮想化していくvEPCが進んで行く。

 

ACTAベースのソフトウェアは、実は汎用ハードウェアに乗せにくい。

なぜなら中で動いているソケット通信やバッファの使い方が汎用機とは大きく違うから。NFVとか言っても、中を覗くとACTA時代の残骸残ってますがな!みたいなことは往々にある。

 

vEPCではソフトウェアも考え方が変わっていく。SLA99.9999%のソフトウェアから、Design for failureなソフトウェアに変わってしかるべき。

 

そしてDesign for failureであることで、開発言語も思想も変わっていく。

ソラコムという会社がM2M向けのMVNOとしてサービスインしたんだけど、

そのバックエンドは本当にすごい。vEPCを自分たちで開発したと聞く。

L2接続のMVNOの場合、vEPCと言ってもそれはP-GW以降の話だが、

それでもシスコやエリクソンがせっせと開発したP-GWを、アムドックスやコンバースがせっせと開発したOCSを、OpenetやTEKELECが開発したPCRFを彼らは自分たちで半年程度で開発してしまった。

 

言語はRubyの模様。確かに、やろうと思えばできないことはない。

所詮ソフトウェアは手作りでしかなく、重厚長大な資産がなければできないものではない。Javaでメモリのコンテナーを使って・・・とかやって99.9999%のSLAを実現していたものが、最近出てきたRubyに取って代わられた。そしてRESTなAPIがある。

これなら出来るな、と思う人もすごく増えたはず。

 

ハードウェアが安くなって、スケールやパフォーマンスは障害検知などに優れるクラウドプラットフォームで十分に出せる。完全性よりも冗長、事故後の復旧などに力を入れるなら、汎用機とC/C++とかでも出来ないことはない。けど、それを実現したということはとてつもないこと。

 

時代は重厚長大な会社がどんどん切り崩され、10人くらいのスーパーマンが数万人企業に挑戦したら、勝てる時代になっている。ソラコムができることを証明したことから、テレコム系のソフトウェア会社は「なんでライセンスを買わなければならないか。OSSクラウドを組み合わせてできることとの違いは何か」の質問に明確に答えを出さないと。

 

HadoopとSPARKを使えば、ソフトウェア開発会社が一生懸命作った商品レベルのものが出来上がってしまうのも直視したし、今後のITはこういう汎用を組み合わせて、高い完成度と的確なニーズを捉える会社がオセロのように大企業をひっくり返していきそう。

 

アプリケーションベンダーは、UI/UXに徹底的にこだわり、ユースケースを磨き、ニーズを絞ってそれに明確な答えを出せないと、「上手に組み合わせる」ベンダーに勝てない。例えば日立や富士通みたいなベンダーが自社開発したもの。それは「上手に組み合わせる」ベンダーよりも魅力的か?

 

タイトルに「あの人は今」と書いたけど、もしかしたらテレコム系のソフトウェア会社はどんどん潰れて、基地局や伝送を作れるハードウェア会社だけが残って、「テレコム系に特化したソフトウェア会社ってあったねえ」という時代は確実に近づいていて、やもすると既にそうなり始めている。

 

追記:5年後に今の自分の仕事はなくなるんだなという衝撃を、ソラコムを見た瞬間に覚えた。 

 

さらに追記:

多くの方に見ていただいたようでありがとうございます。

ATCAとACTAのTypoに対する指摘が結構あり、お恥ずかしい限りです。

恥ずかしいのでこっそり直そうかと思ったんですが、あえて残しておきますw